人生

目醒め

海辺で 遠い過去を思い出す 潮風は耳もとで咽び泣き 砂浜を白く濁った波がまどろむ 私は素足のまま 何処までも歩いた 今更止まる事なんかできない 冷たい波が押し寄せ 残したばかりの足跡を消していく 私は潮の香を胸一杯に吸い込みゆっくりと吐き出した 気…

擬態

ビルの谷間に堕ちた空は不毛地帯 暗闇に気怠さが漂う路地裏では キャッツアイ光らせた黒猫がクラッキング 取り逃した獲物を眼で追い声を荒げる アンバランスな妄想に酔い始めた僕らは 知らぬ間に目的の無い窮地に追いやられ ひたすらのたうち回る自分の影を…

岐路

心の赴くままに…なんて詭弁に惑わされたまま吹き荒れた風の音を聴き時の嵐の中で向かい打つ勇気も失く立ち尽くす此処が人生の岐路影に埋もれた谷の淵壊れた羅針盤投げ捨て胸に秘めた夢もこの足で踏み潰した何が間違いなのかも解らないただ歩き続けた人生 人…

混沌

時間が深い闇に飲まれそうな夜道は突然ひとり生きることが恐くなる見知らぬ誰かに追われているようなそんな気配に捕らわれ逃げたい衝動にかられた 急いで潜り込んだ細い路地を抜けるとそこは切れかけた街灯のカチカチとナる音が聞こえた暗闇に沈む月明りにさ…

黒い真実

変形した世の中に 変形した夢 信じあえず裏切られ 罵りあい傷つきあう 拭い捨てた犬畜生 変える必要もない 変わる余裕もない 背中で浴びたヘッドライトが 残酷な影をつくる 誰も信じるな 何も信じるな ただひたすら 息をし 現実と戦うナマの魂になれ 見え透…

もみ消したばかりの煙草に火をつけた くたびれたTシャツにすり減ったサンダル 晴れた空の死角に埋もれた虚しさ 誰もいない繁みに霞ながら生きてく ぼんやりと眺めた見慣れた風景 始め方も終わり方も解らなかった ウブなあの頃 へしゃげてつぶれた 小便臭い…

ゴミ箱へ「ポイ」

何処にも流れてゆけない憾じ 窮屈な煩悩 退屈な遺憾 醜くブザマな予感だけいつも当たって 毎日思い描く気持ちイイ事は常にゴミ箱へ「ポイ」 人生の墓場も酒場も焼け石に水のゴミ箱へ「ポイ」 最後のカードさえ泥沼にハマってゴミ箱へ「ポイ」 ゼンブ 「ツ・…

Sometime surely

風の街に降る星の雨 君の両手一杯に咲いた小さな夢の華 擁き始めた希望は遥かな大地へと 翼羽ばたき飛び立つだろう 琥珀色に広がるいにしえに消えた思いも いつしか君を優しく包んでいく君は 失いながら 掴みながら 無くしながら 捜しながら 挫けながら 気づ…

ロンリネス

昨日までの私と 明日からの私が 世知辛い世の中で 迷路のような未来へ 錯覚しながら千鳥足 活きてみたり… 死んでみたり… そんなロンリネス 歯がゆさだけが心を蝕む仕事もイヤ 家事もイヤ 人もイヤ こんな憂鬱 砂埃を思いっきり吸い込んだ気分の ジレンマ 刹…

誰からも奪われないための「うた」

心のまま 言葉をしたためた ありのままの 現実の嵐に ミたされながら 眠った廃墟な夜月並みな言葉では 僕は何も変わらない ペットボトルに残った 見え透いた君の嘘が 喉の渇きを潤し流れて 飲みほしたその瞬間が いたたまれ無くなるようにシビアな夢でも見て…

リプライ

何度も… 何度も… 聞き返した でも…何度も… 何度も… 応えられずに いた…わたしを観ていた ほのかな薄化粧の晩花最後に散った鮮やかな花火さえもが 「生きていていい…」って どうして教えるの?何度も… 何度も… 聞き返した でも…何度も… 何度も 応えられずに …

現実の『音』

高鳴る夢も無く過ぎ去る一瞬の それは儚げな幻想のひと時雨音に込められた時の心根に ひたすら耳を傾け『音』に旅して生き慣れた風景にいだかれたなら この身を慰め…暖め…委ね…「こんな時もあるよね…」と呟きを吐き捨てながら 湿った空気に充たされた暗い部…

溜息に…「Give responses」

時として心の翳を装い 窓辺にとどまる切ない風寂しさを冷たく凍ったサガにうずめるとき溜息に…「Give responses」 はかり知れない不安 そして哀しみ時として心の隙間に湧く どうしようもない孤独な気わざと自分を傷つけて欺いてみるなら溜息に…「Give respon…

片付きたい女

春が来て 夏が過ぎても 私の孤独は紛れない秋が来て 冬になっても 私の淋しさは癒せない恋がしたい恋がしたい恋がしたい 心のため池に憚りながら募る女心 一応の収入があれば 一応の容姿であれば 一応の常識があれば今すぐに結婚したい 私は片付きたい「女」…

憂鬱に…エフェクト

孤独な空気に横たわり 部屋の窓に映る ぼやけた夕日を見つめた床を濡らす 目尻につたう涙は 噛んだ唇に エフェクトした邪魔な「口癖」 憂鬱な「一日」小指が撫でる 心の傷口が…ブルーマンデー吐き捨てて そこに沈めて そこを傷めつけて そこで砕いた モザイク…

「夢情」の地

群青色の地平線に 吹き荒れる 突き刺すような痛みの空に 今日の太陽は「嘆き」 うなだれながら 今しずかに 沈んでいく…君は知っているだろう過去によいながら 息を潜めながら 嘘をつきながら 自分を騙し 生き永らえながら 夢を待ちながら地っていく 失くして…

巷の海

細い線を辿る 蒼くよどんだ巷の海 かじかむ指を 白い息で温めたわたしが見つめていた 遥か遠いあの日夕闇の中を走る ざわめきは 相槌をうつ冷たい潮風の 何に 夢見ていたのだろう 冷たい波間にはしゃぐ 風に耳をすませば セピアの空に 滲む夢は儚くてあなた…

血色い黙示録

翼にそっと隠した 駆りは 胸をえぐり抜く 痛み 風の冷たさに震え 暗闇の孤独に怯え 見つめていたのは ただ 星が堕ちる 空 手のひらの 微かな温もりも 泡のように消えていくから 夢見ることさえ失くし 愛することさえ忘れ 生きてるだけの屍なら 大地で眠る魂…

夢秋の砂丘

小雨の中を冷たい空気が包みこむ 枯葉を踏んで急ぎ足になる 夕暮れ時のひと齣 庭に置き去りのガーデニング 綺麗に咲いたベゴニアが 泣いていたから なんとなく今 ブル−な気持ち 冬が近づくたび 孤独に手を引かれ 胸に眠る淋しさは目醒める この世にたった一…

一つの恋が終わるとお肌カサカサ

夕色の街は相変わらず騒々しくて 時間ばかり気にする人波に燻ってる私は バス停のベンチにヘタったままで 伝線したストッキングが誰にも気づかれないようにと 長くもない脚を組み僅かな恥じらいを今使い果たす始末今日一日が あの歌みたいに消えていく 汗の…

私の罪

貴方の胸に顔をうずめて この悲しみの痛みを癒す 灰色の空 見上げていた すぐ側にある幸せよりも 貴方を選んだ私の罪涙の雫も連れていって 遠い旅のみちづれなら どんなものでも寂しくないよう いつものような顔をしていて ポーカーフェースその目が好き 小…

「ね顔」

空白の一日 四角い枠に馴染んだ 君の「ね顔」 花弁は音もなく散り 時は前触れもなく過ぎ 君は 思い出だけを残して逝ってしまった・・・僕の人生の空白のはじまり・・・ 席を立ち 君の歩む音色が 冷たい時に微かに囁く聞こえたよ・・・ 君の「さよなら」解っ…

強くなりたい

スクラップ寸前の 影抱きしめながら 陽の失い部屋の片隅 暗い砂にうずくまる生きていくことが 嫌になって 泣いたって 思い通りになんか いくもんか悩んだって 誰も振り向かない 叫んだって 何も変わらないもっと 強くなりたい そう願うだけで きっと 強くな…

心…辛…

虚しさ数えればきりがない 辛さを募らせてもただの孤独胸に棲む悪意が息を殺して 私を見据える人を憎めば また誰かに憎まれ そうして やり場の無い憎悪は 我身を切り裂くだろうか…鏡に映るもう一人の存在が そっと…背中を抱く 緩やかな空気に満ちる 冷ややか…

「ペシミスト」

カラカラと音を絶てて 崩れていく理想風にまぎれては消える 夜に咲き狂う欲望絶え間なく流れてゆく 時世の波に飲み込まれる希望手のひらを陽射しに 透かしてみた 虚しい血汐が迸る何故だろうか 「こんなにも」 「こんなにも」 と 溜息をつく 何故だろうか 「…

そんな「感じ」がいい

時どき 飾って魅る 時どき 気取って未るそんな感じが…いい何も感じてない風 何も気にしてない風そんな甘さが…好き誰からも干渉されず 誰からも求められないそんな軽さが…心地いいそんな泡沫に…酔いたいそして…時どき 胸を躍らせる 時どき 泣き笑いするそんな…

一人の「ひと」して

いつの間にか 大人になって 夢とか希望を 絵に描いて 虚ろな未来 想いうかべている 君は16…少しづつ 何かを失い 少しづつ 何かを抱いて一人の「ひと」になっていくんだね悩んだら 俯いて 悔んだら 振り向いて そしてまた 歩きはじめればいい ゆっくり 君ら…

蒼のシュール

月よりも 深い蒼に 溶けて消える 夜空の星よ さいなまれ 孤独な影に 今夜も怯え 泣いている君 「淋しい」と呟くなら 瑠璃色の 今宵の星に 願うがいい…しなやかな 嘘をついて 窓辺に咲く 花になるがいい いにしえの サイレントから 溢れだした リトリビューシ…

都会の夜

真夜中に通うコンビニは 孤独な空気に包まれて 店員の「いらっしゃいませ」の声も 胸にボンヤリ響くもんさ 何も欲しい物が見つからない 「チエッ」舌うちなんかする ガラスに映る自分の顔を 見ないように俯いた淋しい悲しい虚しい 都会の夜は夢を失くした 人…

君におくる「詩」

いくら泣いてもいい 泣きたい時は 泣いていいから 涙が渇くまで泣いたら 紅く腫らした瞼を 白い指先で抱いてきっと見えてくるはずさ 時は静かに流れ そして君の 強い味方になる 前へ進むことを 恐れないで 忘れることも 後悔することも出来ない さぁ心の扉を…