現実の『音』

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高鳴る夢も無く過ぎ去る一瞬の
それは儚げな幻想のひと時

雨音に込められた時の心根に
ひたすら耳を傾け『音』に旅して

生き慣れた風景にいだかれたなら
この身を慰め…暖め…委ね…

「こんな時もあるよね…」と

呟きを吐き捨てながら
湿った空気に充たされた暗い部屋で
両手で抱いた肩は震えた

現実と向かい合う勇気を失くし
遠くへ逃げ惑う心に
わたしは潰されそうになり
恐くて
凡てを消したくなる



高鳴る希望も無く過ぎ去る一瞬の
それは儚げな幻想のひと独楽

窓を開け放ち空を見上げる
風は涙に暮れた空に傷ついて

胸の中の重い荷物はかさばり
この身を咎め…苛め…詰る…

「そんな時もあるから…」と

呟きを吐き捨てながら
生きることを拒みながら息を吸い
折れた心を抱きしめていた

現実と向かい合う勇気を失くし
先の見えない明日に怯え
わたしは張り裂けそうになり
虚しくて
凡てから消えたくなる


雨音に込められた時の心根に
ひたすら耳を傾け『音』に旅して

現実と向かい合う勇気を失くし
遠くへ逃げ惑う心に
わたしは砕けそうになり
苦しくて
凡てを消したくなる






                ―紫紅草―