悲哀

十字架

あなたとの想い出笑顔も私の髪を撫でる大きな手も悪戯な恋の魔法が夜空を照らす滲んだ今宵の月霧の海に沈んでゆきたい儚げな夢冷たい吐息が涙になる朽ちる命と一緒に葬ってしまいたい胸に飾った祈りの十字架指で愛しながら…感じながら…消えてゆけるなら…今……

月の海

光に満ちたうすら藍い夜空に浮かぶ 白い月の輝き月明かりの儚さに風が木の葉を揺らし 舞い落ちる音が私をひとり 今宵の果てまで連れてゆく…冷たい風に包まれた 寂しい孤独に追いやられ 星が描く細く淡い光の道を歩き続けるこのまま どこまでも どこまでも 静…

「夢の屍」 君が…僕が…

何者でも無い 廃墟に埋もれた夢の屍生れては果てる魂の証たち 悴んだ両手に余る悲しみが苦しが 少しづつ・・・少しづつ・・・ 涙になって 消えていく夜「ごめんね」 そうささやく僕が 君が 今夜 崩れていく何者にもなれず ただ漂いさまよう風になるなら抱き…

夢の綴き −Crystal doll −

ある朝 目覚めと共に訪れた疑惑の燈 揺るがない記憶の隅に在る 不安「あんな夢 見たから」 と・・・ 嘯いたわたしベッドから起き上がるあなたを南向きの窓辺にもたれた陽射しが ブラインドに腰掛け覗いている それは 夢の綴きあなたの手は ギザギザのデコそ…

 君のいない季節

季節は行き過ぎる旅人 感じるまま 人を愛し 人と別れ 人に涙する そんな人生も悪くない そう思っていた 君と出会うまでは月夜の明かりに照らされながら 冷たい空を見上げている僕を 君は知らないだろう…風のようにこの場所に漂う 届かない愛に時は止まったま…

夢海の「淵」

深い海の底に 落ちて果てた 夢を見た…藍の地底に 燻ぶる頬は 緑の夢に 溺れて溶けて 逝ったよね白い泡が いくつも いくつも 私の命を 包んでは 散っていく遠い海面へと 逃げて逝った私は 泣いた そして 気づき はじめた最後の光に 揺れて壊れる 残り少ない …

充ちる夜

夜の 深く…深く… 奥の 暗い…暗い… 闇に 魅せられる 恐怖が くる…花弁を毟り取り ビルの上から散らす… 夜の闇が 音に変わる 湿った人肌に触れたような にぶく やわらかい 匂いをはなつ 夜風が 「哀しい…」と 嘆いているような 錯覚…が… 充ちる夜夜の…夜の 深…

いにしえの愛

心に降り積もる 白い雪よりあなたに会いたい…頬をつたう涙それは終わりのない棘…変わらないから美しいのではなく 変わらないから悲しいのでもなくそれは失う痛み…それは枯れない思い…心がざわめく… いにしえの愛… ー紫紅草ー