2020-01-01から1年間の記事一覧

リフレイン

あなたとの思い出に涙する私は時に哀れで時に喘ぎ鏡の中の私が心の内をそっと包みこむ去年のクリスマスは二人で飾ったツリー真っ白な雪が降り積もるアスファルトに付けた二人の足跡あの時あなたがくれた初めての指輪を今も捨てられない私はもう誰も愛せない…

混沌

時間が深い闇に飲まれそうな夜道は突然ひとり生きることが恐くなる見知らぬ誰かに追われているようなそんな気配に捕らわれ逃げたい衝動にかられた 急いで潜り込んだ細い路地を抜けるとそこは切れかけた街灯のカチカチとナる音が聞こえた暗闇に沈む月明りにさ…

「ドリュアス」

森を駆け抜ける風 樹木の葉はざわめき 湿った土の香りは 深い霧に埋もれ始める アクアグレイの空に 淡く浮き立つ茜色の吐息 「ドリュアス」 私は夢見る小鳥 あなたの細い指で奏でた 朝焼けの空はやがて 小さな雫の中で 息づき熟まれゆくだろう 私は「ドリュ…

砂漠に咲く花

心の中の 砂漠を彷徨う 乾いた風が 砂を舞い上げ 私はうつろ気に 青く実った 空を仰いだ 重い足取りで 歩いた道 くたびれた スニーカーが 砂にまみれ 煩わしい 不意に 思い浮かぶ あの人が 好きな曲が 今も私を 虚しくする 悲しみも 苦しみもない 呱々は オ…

雨音が落ちると虹色はざわめく葉に留まる雫は音もなく冷たい土へと翳り君がついたため息が寂しさに熟れる 何故逝ってしまうの約束した淡い瞳が私を見つめた逝くのではなく還るのだと繰り返し君にそう寄んだ 君の… 優しく温かい手が頬に触れるたび私はトパー…

最後の爪痕

想いをはせながら 生きることに疲れ 夢見ることを 忘れていた日々 君が飾った カーテンを開き 窓を開け 光を浴びた 空を眺めた スロープした 記憶に心を閉ざし 君のいない部屋で 生きる日々 あの日君が 壁にかいた 僕の名前は もう滲んで 涙になった 忘れる…

愛のカタチ

あなたの優しさが手に取るようにわかる 見つめるあなたの瞳に映る私が とても眩しくてあなたの傍でこうして 何時までも微笑んでいたくて甘えていたくて あなたの胸に頬をうずめている私に 「どうしたの」って一度も聞かないね何時も 「ごめん」ってそして「…

「ワタシ」私「わ・た・し」たち

燃えるような赤いシグナル ヨぎるモノクロの記憶に溺れ始めた 私の中でもがく「わ・た・し」たち 深みに嵌まり堕ちていく生き地獄 雨音に遮られた呻き声 鋭くエぐられた「わ・た・し」たちの心臓から 血しぶきが上がるたび 眼に映しだされるパンドラ 消すな…

ひと目惚れ

暖かな陽差しのなか君を見つけた 出会いの瞬間 僕の時間は止まり 君一色の世界を漂う 「運命」なんて信じなかった ましてひと目惚れ?有得ない 今 目の前の現実でさえ うまく受け入れられないのに 通り過ぎていく 君の笑顔が 僕の肩越しを花びらみたいに 揺…

「自責」

見たことのない景色 細くくねった砂利道を歩く 風に舞う砂埃を吸いながら 何処までも続くその道の果てに 漠然と意味のない期待をよせた 乾いた心を流れる うつろな感傷 心が壊れそうで 「いにしえ」が弄ぶ せつない感傷 泣いた日もある つらくて死を思う日も…

邪悪な天使ールシフェルー

霧を渡る船 闇夜を照らす月明かり 静かな波の濁る音 忍び寄る恐怖に脅え肩を震わせ ついた ため息 川べりに船を捨て 草木をかき分け走り抜けた獣道 掻き毟るように目覚めたルシフェル 胸の中で燃え上がる 今この時を枷に 私の心を貪るなら お前が堕ちる 地獄…

―「花夢」―

枯木が芽をふき 蕾が生まれ 春の風はそよぎ いつしか開いた花は 晴れた空に未来を描き やがて散りゆき 君は過ごした 色とりどりの日々を 儚げに束ね 僕の胸へと届けた たくさんの思い出 君が微笑む 君にありがとう 心からありがとう 風に遊ぶ君の長い髪は謡…

黒い真実

変形した世の中に 変形した夢 信じあえず裏切られ 罵りあい傷つきあう 拭い捨てた犬畜生 変える必要もない 変わる余裕もない 背中で浴びたヘッドライトが 残酷な影をつくる 誰も信じるな 何も信じるな ただひたすら 息をし 現実と戦うナマの魂になれ 見え透…

ある夕暮れ・・・ せせらぎの声を聴いた 錆びついた空の 茜色の谷間から 枯れた木々に ころげ落ちては うめく明かり 凍りついた 胸の中の嗟嘆が キシキシ音をたて 溶けてく感じ・・・ あの人は まだ覚えてるかな 私のこと・・・ 黒く塗りつぶした 記憶が 胸…

星屑のアビス

君の面影を いだいた夜 星の涙が 夜空をつつみ 窓辺を飾る おぼろげに咲いた月は 星の海に 小舟を浮かべた 君をのせ 星の波間を オールが切る いつまでも 消えない君の ほほえみに 僕の胸は 高鳴り いつまでも 忘れられない 君の面影を 抱いたまま このまま…

「無白」

白い空の果て 「もや」のかかった 遠い記憶 薄茶色の眼をした あの人が わたしに微笑む 微かに 甘い風が吹いた 儚くて 恋しくて 懐かしさが 胸につのる 遠い記憶 あの人の 「無白」の記憶 白い空の果て 「もや」のかかった 遠い記憶 青い芝に寝転んだ あの人…