最後の爪痕

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想いをはせながら 
生きることに疲れ   
夢見ることを    
忘れていた日々 
君が飾った           
カーテンを開き   
窓を開け      
光を浴びた    
空を眺めた   
スロープした         
記憶に心を閉ざし 
君のいない部屋で 
生きる日々     
 
あの日君が 
壁にかいた
僕の名前は
もう滲んで
涙になった
 
 
忘れることさえ  
許されないのか   
空虚な愛はただ      
答えも失いまま    
傷跡だけを              
残していった     
カーテンを風が   
揺らすたびに      
君の香りを      
思い出し               
苦しくて息もできない     
失うものならもう     
何もない         
 
あの日僕が 
壁にかいた
君の名前は
もう滲んで
涙になった
 
 
忘れることさえ 
許されないのか
 
そう呟き
何度も繰り返す      
 
あの頃いつも 
話していた
二人の夢も
もう霞んで
涙になった
 
 
あの日聞いた
「さよなら」は
僕の胸に
君が残した
最後の爪痕
 
 
 
       
 
                                 ―紫紅草―