失恋

報われない初恋

今… 始まってもいない恋に 別れを告げた 目の前に広がる青い空が とても眩しくて 私は 思わず眼を閉じた 心… 傷つかないように 手放した恋 臆病な私に許された あなたの背中が もう恋しくなった もしも私の気持ちに気づかれたら 何もかもすべてが崩れてしま…

星屑のアビス

君の面影を いだいた夜 星の涙が 夜空をつつみ 窓辺を飾る おぼろげに咲いた月は 星の海に 小舟を浮かべた 君をのせ 星の波間を オールが切る いつまでも 消えない君の ほほえみに 僕の胸は 高鳴り いつまでも 忘れられない 君の面影を 抱いたまま このまま…

涙のエピローグ

心の片隅にあなたを置いたまま 寂しい笑顔の仮面をつけて 枯葉舞う木立をひとり歩く 夕べ出来た水たまりを 自転車が走り抜け水しぶきを上げた想い出と呼ぶには辛すぎて 忘れることさえ出来ないで…風はどこまでも雲を追い駆け 雲は遥かかなたへ消えて行く…あ…

あの日

あの日 押し花にした言葉も 心も水色の季節に泣いたまま あの日セピアの空に描いた 想いはブルーに喘いで泣いたまま 何も思わないで…いてそう嘆く 傾いた心あの人が 私に振り向く笑顔も大きな手も温かな胸も あの日記憶のかなた風のような 恋は涙を爪弾き鬱…

〜クローバー君が『夢見た恋』に〜

クローバー 君の住む街に 虹が架かるなら 蒼く照らされた 空が映しだす オレンジの陽射しは落ちていくクローバー 君の住む街に 咲いた花は 君の細い指が そっと摘む夢 オレンジの陽射しに揺れていた それは…ルビーレッドの香り 震える胸を抑えた その小さな…

― 桜日 ―

桜咲きほこる校庭 消え行く春の空へ 君は届けとばかりに 紙飛行機を高く高く 教室の窓から思い切り飛ばした思い出は奏でる季節風 笑っている君を見てるだけで良かった 君がいる場所こそが 僕が安らげる唯一の場所だったから 桜の花散る木の下で 君と落ち合い…

「L」と書いておこう…

オレンジ色の夕陽が 空を滲ませ 涸れた 白い風が吹く今日も 僕をせめるのは 君の涙と吐息と…今夜も 哀しくさせるのは 赤い月と星と…いいさ…それでも…「L」と書いておこう 君が残した愛の脱殻 乾いた心を潤すなら甘い記憶が今もなお この胸を絞めつけるけど …

優しくしないで・・・

優しくしないで 優しくしないで これ以上 あなたを求めないように夢は見せないで 夢は見せないで これ以上 あなたを好きにならないように忘れようすべて 出会った時のときめきも 喜びもこの胸の温もりさえ 忘れようすべて 記憶のかなたに葬って あなたの仕草…

涙の詩

果てない記憶の影 薄れていく想い色 この手のひらの 温もりが醒めないうちに あなたを抱きしめ あなたを感じ あなたを奪いたい ・・・と・・・強く 願うほどに 風は攫っていく ・・・永遠の「時」に 閉じ込めた 涙の詩も あなたには遠すぎて もう聴こえない …

「キュン」…胸が泣る

秋の匂いがするルージュ 記憶の引き出しに 仕舞いこんでいた想い ふいに湧いてきたあの日 ここにいて…と呟いて 泣いた… 涙で歪んだ景色 零れ落ちていく それだけで 「キュン」…胸が泣る恨んだわけでも 憎んだわけでも ない 嫌いになれない彼が 今も頭の隅で…

「海」へ

潮風に吹かれている 青い季節の終わり 鼻をくすぐってく 甘い海の匂いは 傷ついた思い出を そっと蘇らせるグリーフ苦い恋 素足のまま私目掛けて 追い駆けてくる今が過ぎれば この想いも優しさに変わると ため息は嘆く… 傷ついた分だけは 幸せになりたい 抱き…

「青」の純情

心の中に海をつくった 日暮れた過去は潮風に吹かれ 波の音は淡い蜃気楼を生んだ涙の海かな 「青」の純情忘れ去られた セピアの海小さな燃殻は 哀しみの雫になって 薬の効かない 甘い恋に 蝕まれていく 危険な罠と知りながら 心の海の中へ飛び込んだ 「傷つい…

星屑のシークェンス

窓から見えるパノラマの街 あなたが残した「さよなら」 いつまでもリフレインもうこれ以上 心を乱さないでスロープしたままの 恋の結末は まどろみかけた 夜空のかなた あやしく光る 星屑のシークェンス あなたの嘘を信じた私 心変りも気付かず かえらないサ…

ー喪失ー

いなくなりたい夜 泣くことやめたの 誰のせいでもない 積もる想いを いまも捨てられず 傷ついたままの 胸に手をあてる星がキレイだから ほんのすこし恋しい ほんのすこし寂しい わたしバカみたいでしょ… こんなにあなたに会いなんて… それでもあなたに 会え…

ただ…君のために

ただ… 君のため 長かった 髪を切りただ… 君のため 切なかった 想いを切り裂きただ… 君のため 忘れる事の 辛さを覚えた ばらばらになった 昨日からの「時」… ただ… この身を満たすのは 「泪」の深海… 朽ち逝くために 倦まれた「恋」だから… ー紫紅草ー