カラカラと音を絶てて
崩れていく理想
風にまぎれては消える
夜に咲き狂う欲望
絶え間なく流れてゆく
時世の波に飲み込まれる希望
手のひらを陽射しに
透かしてみた
虚しい血汐が迸る
何故だろうか
「こんなにも」
「こんなにも」
と
溜息をつく
何故だろうか
「これでもか」
「これでもか」
と
愚痴をこぼす
人は可愛い
優し過ぎる
愚かな生きものにすぎないのに
人は期待する
不安を隠し
惨めにならないためだけに
人は愛を飼う
生きる為に
孤独に囚われたくないためだけの
悲しい生きもの
カラカラと音を絶てて
崩れていく理想
風にまぎれては消える
夜に咲き狂う欲望
絶え間なく流れてゆく
時世の波に飲み込まれる希望
人は
憐れなほどに
淋しすぎる生きもの
だから…
空に棲む星たちは
密に笑う
そして…
密に耳打ちする
愚かな私たちのことを
そして…
密に口ずさむ
儚い命の唱を…
ー紫紅草ー