一つの恋が終わるとお肌カサカサ

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夕色の街は相変わらず騒々しくて
時間ばかり気にする人波に燻ってる私は
バス停のベンチにヘタったままで
伝線したストッキングが誰にも気づかれないようにと
長くもない脚を組み僅かな恥じらいを今使い果たす始末

今日一日が
あの歌みたいに消えていく
汗の臭いが
体力の消耗を物語る

トロトロ走って来るのが見えた
あれは私を運ぶバス

ああ
気づけばお肌カサカサ
ああ
最近恋もご無沙汰

ああ
一つの恋が終わるたび
ああ
気づけば心もカサカサ



夕色の街は相変わらず騒々しくて
バスの窓からは見慣れたパノラマが行き過ぎる
さっきドッカリ据わった椅子の窮屈さに
身をよじりながら心地よさを探究している私は
「見ないで」と周りに目配せしながら僅かな自己愛を費やした


今日一日が
あの歌みたいに消えていく
一糸纏わぬ睡魔が
容赦なく襲いかかってくる

つぎのバス停から徒歩7分が
私の住むアパート

ああ
気づけばストレス疲れ
ああ
最後した恋っていつ?

ああ
最後したキスはいつ?
ああ
思うだけお肌カサカサ

ああ
一つの恋が終わるたび
ああ
気づけば心もカサカサ




                    −紫紅草ー