ロンリネス

昨日までの私と
明日からの私が
世知辛い世の中で
迷路のような未来へ
錯覚しながら千鳥足
活きてみたり…
死んでみたり…
そんなロンリネス
歯がゆさだけが心を蝕む

仕事もイヤ
家事もイヤ
人もイヤ
こんな憂鬱
砂埃を思いっきり吸い込んだ気分の
ジレンマ
刹那刹那に歪んだ心

昨日までの私と
明日からの私が
悪夢のような邪悪な世の中で
不安だらけの未来へ
重い十字架背負い千鳥足
あがいてみたり…
もがいてみたり…
そんなロンリネス
苛立ちだけが心を蝕む

仕事もイヤ
家事もイヤ
人もイヤ
そんな憂鬱
生きていく難しさ血が滲むほど
噛みしめた
刹那刹那に荒む心





                      
                    ―紫紅草―

「時感」

冷たい雨を落とす今日の空
いつまでも心にいるあなたが
そっと振り向き
微笑むから
私はただ切なくて
また傷ついてしまう
曇った窓ガラスにあなたの名前書いて
過ぎ去った「時感」に留まり続けた…

「時感」だけが止まったこの部屋で
窓を開け放ち私は風になる
淋しいこの街で
偶然でもいいから
あなたに会いたくて
冷たい雨が降る今日の街を彷徨い
あなたと同じ薫り探してはときめく…

冷たい雨を落とす今日の空
私の心に今も息づくあなたが
暖かな手で
私を抱いて
頬に口づけして
優しく髪を撫でる
まだあなたを思い出になんかに出来ないわ
あなたを思うたびに募る愛が苦しくて…

まだあなたを思い出になんかに出来ないわ
あなたを思うたびに募る愛が辛すぎて…





                   ―紫紅草―



                   

ナル…「僕たちの日々」…シスト

君と二人で生きていく日々なら
風のような涙色に染まりながらがいい
たとえば初めて感じた愛という海に溺れた時のような
したたかな期待にしがみつく自分に気づいた時のような
孤独な折れた心を震えながら強く抱きしめた時のような
そんな儚げに泣ける日々がいい…


君と二人で朝を迎える日々なら
夜空に描いた星のストームに呑み込まれながらがいい
たとえば激しいキスの後の咽あがる熱情のような
そしてあだやかに潤む君の瞳を視てる時のような
君の白い肌に赤く咲いた愛という名のいにしえに埋もれた
エキゾチックに夢見る日々がいい…


君と二人で生きていく日々なら
風のような涙色に染まりながらがいい…

君と二人で朝を迎える日々なら
夜空に描いた星のストームに呑み込まれながらがいい…                         

                         
                     

                        ―紫紅草―

青葉の頃

君と いた
青い 春の日
暖かな日差しに包まれた
君の ほほを
僕はそっと 撫でた
熱く溢れる君への思いは
息苦しく
狂おしく
甘く切ない
この胸を焦がす嵐

歩き慣れた
小道に咲く花に微笑み
戸惑いながら
恥らいながら
君は僕と手をつないだ

君の小さな肩が触れるたび
容も無く燃え上がる僕の思いは
朱く揺らぎ高鳴り続ける

君と いた
青い 春の日
とぎれとぎれにまじわる吐息
君の かおりを
風は運び ときめく
熱くこみ上げる君への気持ちは
やるせなく
愛おしく
抑えられない
この胸を焦がす嵐

歩き慣れた
川のほとり囀る小鳥たち
君がいてくれたら
何もいらない
何だって乗り越えられる

「もう少し歩こうか…」僕にうなずいた
君の長いまつ毛が光に滲んで
思わず抱きしめたくなる


君と いた
青い 春の日
暖かな日差しに包まれた
君の ほほを
僕はそっと 撫でた






               ―紫紅草―

「夢の屍」 君が…僕が…

何者でも無い
廃墟に埋もれた夢の屍

生れては果てる魂の証たち
悴んだ両手に余る悲しみが苦しが
少しづつ・・・少しづつ・・・
涙になって
消えていく夜

「ごめんね」
そうささやく僕が
君が
今夜
崩れていく

何者にもなれず
ただ漂いさまよう風になるなら

抱き始めた希望に散った魂の証たち
拒むかのようにすべてから見放され
かすかに・・・かすかに・・・
その姿変え
溶けていく夜

「ゆるして」
そう乞う君が
僕が
今夜
壊れていく

何者でも無い
廃墟に埋もれた夢の屍

「生きていたい」
そう願いながら僕が
君が
今夜
砕けていく

          
           ―紫紅草―

巷の「ゲロゲロ」

私がもの心が湧いた頃かどうかは今更さだかではないけれど…
大人の会話で「猫の額程の畑がありますから…」と聞いた時
本当にそんな畑があるのだろうか…??」と本気で見てみたいと思ったことがあった。
後で事実を聞いて「どうしてそんなウソを大人はつくんだろう…]と不思議だった…w

「微笑み」

白い雪に包まれた
冷たくて優しい
朽葉色の空

あなたが淡く吐く
柔らかな吐息は
わたしに微笑み
愛しさを教えてくれた

哀しい音をたてて
消えていく風が寂しくて
ただあなたに宵縋り
見つめていたの

あなたは
冷たくなった
わたしの手を
そっと握って
ポケットに入れた

細くなった目を
もっと細くして
微笑んだあなたは
わたしを幸せ色に染める

小枝にふわり積もった雪に
唇を寄せて息を吹きかけた
一瞬の白い嵐
舞い散る雪の華びら

日だまりにとどまり
眠る切ない風の音
消えてはまた熟まれ来る
儚い雪の夢

白い道に堕ちる
ふたりの足跡に
振り返り…振り返り…
わたしは別れを告げる

今日の…

白い雪に包まれた
冷たくて優しい
朽葉色の空

あなたが淡く吐く
柔らかな吐息は
わたしに微笑み
愛しさを教えてくれた





              


                    ―紫紅草―

誰からも奪われないための「うた」

心のまま
言葉をしたためた
ありのままの
現実の嵐に
ミたされながら
眠った廃墟な夜

月並みな言葉では
僕は何も変わらない
ペットボトルに残った
見え透いた君の嘘が
喉の渇きを潤し流れて
飲みほしたその瞬間が
いたたまれ無くなるように

シビアな夢でも見てようか
さらされながら生きていく影
誰からも奪われない「うた」のために
聴こえない声を張りあげ
叫ぶ
midnight blue
君がそう呼ぶなら
僕が信じるよ


かけがえない
時間をリセット
せきタてられた
気分をダウンさせ
黒くざわめく
「自由」にふけった

月並みの言葉では
僕は何も変わらない
ひねくれたり拗ねたり
そんな喰えないものも
見かけ倒しな青春の試練って
曖昧な言い訳もまた
果ては自分を守るため

シビアな夢でも見てようか
さらされながら生きていく影
空回りした想定外の現実
リアルなハートはセンセーション
そんな
midnight blue
君がそう言うなら
僕が信じるよ






                ―紫紅草―

リプライ

何度も…
何度も…
聞き返した
でも…

何度も…
何度も…
応えられずに
いた…

わたしを観ていた
ほのかな薄化粧の晩花

最後に散った鮮やかな花火さえもが
「生きていていい…」って
どうして教えるの?

何度も…
何度も…
聞き返した
でも…

何度も…
何度も
応えられずに
いた…

すべてを許される
優しい言葉が流れ
こころを溶かすから

憎まなくても…
厭わなくても…

信じられなくても…
認められなくても…

そのままのあなたで生てくれるなら
ずっと泣かずに生てくれるなら
と…

応えなんて捜さずに生てくれるなら
ずっと何も問わず生てくれるなら
と…

言葉をぶつけるなら

どうか疑わずに…生て
終りが来るその日まで

わたしを捨てずに
わたしを諦めずに

これ以上

どうか悲しまないで…生て
苦しまないで…生て




              ―紫紅草―

Summer wind

君を見ていた
Augustの青い空
ふたりを乗せたSummer wind
海へと旅立とう

心をくすぐる
紅い唇とがらせた君を
ワザとからかって
ムキにさせた
悪戯な瞳が
僕を夢中にさせる

抱きしめた君の
長い髪が揺れている

このまま朝まで
僕の腕の中で「おやすみ」

朱く染まるAugustの空に
投げkissで手招きする
無邪気な君を
めちゃくちゃ愛してるよ



君を見ていた
Augustの青い空
ふたりを乗せたSummer wind
海へと旅立とう

ラジオの天気予報
「急な雷雨にお気を付け下さい。」
ふたり思わず
顔を見合わせ
吹き出して笑ったね

この胸の奥を
熱くくすぐる君がいる

星を眺めながら
月灯りに抱かれ「おやすみ」

突然スコールのような出会い
君との恋のゲームは
僕の負けさ
めちゃくちゃ愛してるよ


君のこと以外
どうでもよくなる
高鳴る鼓動が
近づくのが解る
君との未来が
Augustの空へSummer wind
翼広げ旅立つだろう

             

                  


               ―紫紅草―

涙の花

風が吹く暗い大地
輝く星の果てへと 
駆けていく

あなたがくれた
かけがえのない時は散る

私は苦しくて
迷わず 疑わず 
あなたを
待つことが
出来なかった

胸に咲いた涙の花を
震える指先で摘みながら
消せない
愛に嗚咽する

変わらない嗄れた匂い
カタルシスに漂い泣いた夜


「君のためなら…」囁く
あなたの声を抱くたび
逢いたくて

あなたがくれた
揺るがない愛で眠る

許されない罪
傷つけ 傷ついた
あなたを
信じることが
出来なかった

胸に咲いた涙の花を
震える指先で摘みながら
忘れられない
愛に嗚咽する

変わらない嗄れた匂い
カタルシスに漂い泣いた夜


胸に咲いた涙の花は
あなたと私へのイリュージョン
捨てられない
愛に嗚咽する


振りかえる私を
哀しそうに見つめたあなたが
涙で見えないの…

お願い…
もう少し
そこにいてね…
せめてこの涙が零れ落ち
優しかった
あなたの瞳が見えるまで…




                  


                 ―紫紅草―

螺旋階段

螺旋階段を降りたら

そこにいったい

何があると云うのか

胸に押し当てた拳骨

暮れていく夕暮れの日



螺旋階段を登ったら

あ底の渦にオチタい

哀しみよりも悲しい

そんな色に溺れた

暮れていく夕暮れの日



螺旋階段を駆け降り

あ底に横たわり

私は君の匂いで生かされるのだろう

そして叫ぶ

暮れていく夕暮れの日



思い出が謡う

霞めた空に溶けた

君の声に耳を澄ませ

私も消えてしまいたい

いっそ消えてしまいたい

もう二度と見えない君と

また

逢えるなら





               ―紫紅草―

金縛り

金縛りに遇いながら 

心だけ震わせてた夜

君一色に染まった 

カラダが堅くなっても

揺り籠のように瞼は 

閉じて 開けて また閉じて

何秒カンの世界が

僕を支配し

君を叫ぶ声が 

喉の奥にはびこる

宇宙に阻まれ

屍になるんだ


金縛りに遇いながら 

心だけ震わせてた夜

じりじりと流れる電気は

カラダを奪い続け

静かによぎる恐怖が襲う

不整脈に途切れる息

味気ない終りを感じた頃

まるで それは

抜け堕ちるような自由が

魂に還る時

エグく僕を疲れさせた

「オ・カ・エ・リ」

そう放つ瞬間

僕は直ぐ

ケイタイ にぎって

君にメール

「イヤな汗かいたよ…」

窓に描いた

甘えた朱い満月

再び来るレム睡眠

覚醒状態にした

金縛りが

何故だろう

すごく恋しい


            


              ―紫紅草―

現実の『音』

高鳴る夢も無く過ぎ去る一瞬の
それは儚げな幻想のひと時

雨音に込められた時の心根に
ひたすら耳を傾け『音』に旅して

生き慣れた風景にいだかれたなら
この身を慰め…暖め…委ね…

「こんな時もあるよね…」と

呟きを吐き捨てながら
湿った空気に充たされた暗い部屋で
両手で抱いた肩は震えた

現実と向かい合う勇気を失くし
遠くへ逃げ惑う心に
わたしは潰されそうになり
恐くて
凡てを消したくなる



高鳴る希望も無く過ぎ去る一瞬の
それは儚げな幻想のひと独楽

窓を開け放ち空を見上げる
風は涙に暮れた空に傷ついて

胸の中の重い荷物はかさばり
この身を咎め…苛め…詰る…

「そんな時もあるから…」と

呟きを吐き捨てながら
生きることを拒みながら息を吸い
折れた心を抱きしめていた

現実と向かい合う勇気を失くし
先の見えない明日に怯え
わたしは張り裂けそうになり
虚しくて
凡てから消えたくなる


雨音に込められた時の心根に
ひたすら耳を傾け『音』に旅して

現実と向かい合う勇気を失くし
遠くへ逃げ惑う心に
わたしは砕けそうになり
苦しくて
凡てを消したくなる






                ―紫紅草―