青葉の頃

ブログランキング・にほんブログ村へ

君と いた
青い 春の日
暖かな日差しに包まれた
君の ほほを
僕はそっと 撫でた
熱く溢れる君への思いは
息苦しく
狂おしく
甘く切ない
この胸を焦がす嵐

歩き慣れた
小道に咲く花に微笑み
戸惑いながら
恥らいながら
君は僕と手をつないだ

君の小さな肩が触れるたび
容も無く燃え上がる僕の思いは
朱く揺らぎ高鳴り続ける

君と いた
青い 春の日
とぎれとぎれにまじわる吐息
君の かおりを
風は運び ときめく
熱くこみ上げる君への気持ちは
やるせなく
愛おしく
抑えられない
この胸を焦がす嵐

歩き慣れた
川のほとり囀る小鳥たち
君がいてくれたら
何もいらない
何だって乗り越えられる

「もう少し歩こうか…」僕にうなずいた
君の長いまつ毛が光に滲んで
思わず抱きしめたくなる


君と いた
青い 春の日
暖かな日差しに包まれた
君の ほほを
僕はそっと 撫でた






               ―紫紅草―