桜咲きほこる校庭
消え行く春の空へ
君は届けとばかりに
紙飛行機を高く高く
教室の窓から思い切り飛ばした
思い出は奏でる季節風
笑っている君を見てるだけで良かった
君がいる場所こそが
僕が安らげる唯一の場所だったから
桜の花散る木の下で
君と落ち合い話したね
他愛のないジョークを
飛ばす僕のそばで
無邪気に笑う君はホントに可愛かった
思い出は風に揺れる木の葉
そうさ君はいつも僕に笑顔で振リかえる
届きそうで届かない心
君さえ居てくれれば何も要らなかった
桜並木に陽は風を謡うから
胸に甦る君の小さな肩に
桜の花びらは降りそそぎ
落ちて消え 泣いている
僕は いつまでも
思い出の中の君を
愛おしげに見つめていた
いつしか遠い 時の片隅で
君が懐かしむ人でありたい
いつしか遠い 時の片隅で
君の逢いたい人でありたい
―紫紅草―
