あなたに捨てられるなら
青い空の下よりも
冷たい雨が降りそそぐ
ベッドの中がいい…
あなたが吸いかけて止めた
灰皿に残した煙草のように
その香りが満ちぬまに綺麗に
あなたが望む女のまま
消えてあげるから…
戻らぬものをいつまでも待つ
そんな女じゃないことを
最初から知っていた
知っていた…あなたは…
悪い人…
あなたは気づかないでしょ
都合のイイ女になんて
なれる筈の無い事を
どんなに泣くかなんて…
あなたが残した香りが
口癖が仕草が煙草の火ように
易々とは消せないくらい
あなたがすべてだと云う事が
どんなに苦しいか…
答えの無い愛にしがみつく
そんな女じゃないことを
最初から知っていた
知っていた…あなたは…
悪い人…
ー紫紅草ー