君が見た風の色をおしえて
空を仰ぎ
この雲に乗って
胸を弾ませた記憶をおしえて
今日と云う日が
日暮れてゆく
見えない
白い月に隠れた
君の気持ちに近づきたくて
褪せていくガラスの空に映る現実
ぼやけてしまった僕は雨に撃たれ
夢を貪る 獏になった
君の瞳に焦がれ
君の匂いに溺れ
君の虜の『獏』
それが 僕なんだ…
虚しさに おし潰され
ぐちゃぐちゃ 音をたてて
消えて い無くなりたかったんだ
君の前から一瞬の間に
消えて い無くなりたかったんだ
君を恋うたび
悶える痛みに
返り血を浴びる僕は
夢を貪る 獏
君の瞳に焦がれ
君の匂いに溺れ
君の虜の『獏』…
それは 僕なんだ…
君が見た空の色をおしえて
ときめく夢が
白い翼ひろげ
空へと飛び立つ記憶をおしえて
君に近づきたくて
君に愛されたくて
君の瞳に焦がれ
君の匂いに溺れ
君の虜
でも もう…
君を…この手で
汚してしまいそうなんだ
だから…
僕は
僕は 消えるよ
永遠に
消えるよ…
君の瞳に焦がれ
君の匂いに溺れ
君の虜の『獏』…
それが 僕なんだ
それは 僕なんだ
それが
僕だから…
―紫紅草ー
